TOP > 徒然草 > 新聞雑誌記事一覧 > 朝日新聞 > 5.カーナビのごとくフィードバックを










  朝日新聞
■No.1 やりたいことを見逃すな
■No.2 「箱越え」息子のしたたかさ
■No.3 暖かく厳しいコーチをみつけよう
■No.4 真似とユニークの不協和音が大切だ
■No.5 カーナビのごとくフィードバックを
■No.6 ヒューマンキャピタルにとって会社は成長孵化器
■No.7 オーエンに学ぶ「効力感」
■No.8 「時間単価」の壁と効用
■No.9 ビジョンコンテスト
■No.10 チームワークと個人主義のパワー・ブレンド
■No.11 気持ちが停滞したらとにかく動き出そう
■No.12 首の動きを止めれば首にならない
■No.13 自分に時間をあわせよう
■No.14 没頭術ワン・ツー・スリー
■No.15 チームの色眼鏡の色がわかっていますか?
■No.16 まず4から始めよ
■No.17 口説くには一緒に歩こう
■No.18 ストーリーを語り、主役の座を射止めよ
■No.19 即興のパワー
■No.20 節目のある人、節目のない人


 
朝日新聞
 【5】 カーナビのごとくフィードバックを

(2002年6月16日掲載)

プロを目指す人は対話力、特にフィードバックの方法を身に付けることが必須だ。その秘訣は「カーナビの如く行え」である。私が米国で使っていたナビは、私がへまな運転をしても決して私を非難しない。へまに応じてひたすら新しいガイドを出し続ける。何度でも安心して間違えることができる。人間によるフィードバックだとこうはいかない。気に入らないことをされたら私はまず怒る。怒った私が行うフィードバックは決して相手のためのものではない。それは相手にもみえみえだから相手は抵抗する。他方、ほめていればいいかというとそうじゃない。「すごいね」といわれて多少いい気持ちがしても、役には立たない。カーナビの如く、相手のためという「善意」と「役に立つメッセージ性」を兼ね備えたいものだ。
フィードバックの受け方はどうか。自分のやった仕事について「あそこがちょっと問題だな」とかいわれると、自分の正しさの主張や言い訳を並び立てる「防衛的受け方」をする人が多い。コツは「自己成長のための受けとめ方」だ。例えば自分の仕事の問題点を誰かが指摘したら、それを批判としてではなく「自分の成長に役立つフィードバックだ」と受け止める。さらに、その内容について好奇心をもって「その点もうちょっと説明してもらえますか?」とこっちから質問していく。こっちが素直に質問すると、相手が仮に当初こっちを攻撃しようとしていても、その攻撃性が緩んでカーナビ化していく、というおまけまでつくかもしれない。






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