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(2002年6月16日掲載)
プロを目指す人は対話力、特にフィードバックの方法を身に付けることが必須だ。その秘訣は「カーナビの如く行え」である。私が米国で使っていたナビは、私がへまな運転をしても決して私を非難しない。へまに応じてひたすら新しいガイドを出し続ける。何度でも安心して間違えることができる。人間によるフィードバックだとこうはいかない。気に入らないことをされたら私はまず怒る。怒った私が行うフィードバックは決して相手のためのものではない。それは相手にもみえみえだから相手は抵抗する。他方、ほめていればいいかというとそうじゃない。「すごいね」といわれて多少いい気持ちがしても、役には立たない。カーナビの如く、相手のためという「善意」と「役に立つメッセージ性」を兼ね備えたいものだ。
フィードバックの受け方はどうか。自分のやった仕事について「あそこがちょっと問題だな」とかいわれると、自分の正しさの主張や言い訳を並び立てる「防衛的受け方」をする人が多い。コツは「自己成長のための受けとめ方」だ。例えば自分の仕事の問題点を誰かが指摘したら、それを批判としてではなく「自分の成長に役立つフィードバックだ」と受け止める。さらに、その内容について好奇心をもって「その点もうちょっと説明してもらえますか?」とこっちから質問していく。こっちが素直に質問すると、相手が仮に当初こっちを攻撃しようとしていても、その攻撃性が緩んでカーナビ化していく、というおまけまでつくかもしれない。 |
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