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私の同僚の川上さんはコンピテンシー(成果を出すための能力)論の第一人者だ。彼は成果行動のレベルを5段階にわけている。1は与えられた状況内で指示されて動くレベル。2は「状況内」で独立遂行するレベル。3は「状況内」でベストの選択肢を選び遂行するレベル。4以上が「状況を変革する」行動で、「稼ぐ人」である。4は与えられた「状況」そのものを変革し、5は新しい「状況」を創造してしまうレベル。さて、先日彼と話していたとき、川上さんから突如「4以上から出発しないと4以上にいけないのではないか」という仮説がでてきた。普通の人はこう考える。新入社員のときレベル1、主任になって2、課長で3、部長で4、社長で5と、出世するにつれ行動レベルがあがっていくと。しかしこれはありえないというのが川上さんと私の実感だ。なぜか。昇進するにしたがって仕事(状況)の難易度は高くなる。簡単な仕事(状況)において変革できない人が、より難しい仕事で変革できるはずはない。この発見は何を意味するか?「今、あなたがやっている仕事で変革できないとしたら、あなたは永久に変革はできない。」あなたが、もし変革をリードする人材になりたいなら、今ここで変革行動を起こすしかない。そうしない限り、あなたは永久に「状況」にとじこめられたサラリーマンだ。もし、あなたが2のまま出世して、課長、部長となっていくと、最後は2の社長になる。それはあなたのみならず、会社にとっての悲劇以外の何者でもない。 |
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