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● これ私のやりたいことだっけ:
10の質問が教えること:場のパワーを考える
(夕刊フジ掲載:2002年1月31日)
シリコンバレーにいると、バブルがはじけた後でも、何か新しいことをやろう、自分のやりたいことをやろう、と自然に思えてくる。そういう場のパワーがある。そういうお手本がそこら中にいるからだ。どうやってこの場のパワーを日本にもち帰ろうか?2000年3月からはじめたシリコンバレー生活もいったんこの3月で終えるので、その総括として、自分用のお土産を考え始めた。場のパワーを箱づめにできないかな、と思っているとき、ある人から助言を受けた。「自分をめざめさせる10の質問(パワークエスチョン)がいいよ。いきづまったら、それを自分に質問してみるんだ。コツは、自分が最もきかれたくない質問にするんだよ。」そこで考えたのが次の10問。
1.これ、私のやりたいことだっけ?
2.このことの目的は何?これ、やる意味あるの?
3.いい人ぶっていない?
4.ほんとうは何が起きているの?
5.この人と居て、私はどんな気持ち?
6.感情が邪魔していない?
7.何をおそれているの?
8.何にしがみついているの?
9.何がわかっていないの?
10.誰がいったの?
さらっとした質問だが、私にとってはどれも濃縮ジュース。例えば、第5問の裏話はこんな具合。元官僚のせいか自分の素直な気持ちを押し隠すことに私は慣れていて、特に偉い人に弱いところがある。居心地悪くても我慢したりして。逆に偉い人だと無理に歯向かったりもする。そこで「偉い人」と話しているとき、ときおりこの質問を自分に対して発してみよう。もしその答えが「どうもこの人とこの話していると居心地悪いな」だったら、勇気をだして「私は、今の話きいていてこんな気がしました。」とかいってみよう。それじゃ偉い人には通じないか。「あんたからそんな話ききたくない、もっとこういうの話しましょう」とストレートにいう方がいいかも。
でも、そもそも10問なんて多すぎるかな。絞るのだったら第一問から第三問までにしよう。いや、それもまだらっこしいから第一問だけに絞ろうか。まてよ、「これ、私のやりたいことだっけ?」って質問して、「いや違う」という答えを自分がしたらどうするんだろう?その場合、ほんとうにそれが「大事な仕事」でも「やりたくないから」ってやめちゃうの?あ、そうか、こんな風に迷うのは、確かに「自分がきかれたくない質問」という基準には合ったいい質問なんだ。 |
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