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● 怒りを手なずける4段階の方法:
戦うのは最終的手段だが自分をコントロール
(夕刊フジ掲載:2002年1月17日)
昨今の厳しい情勢の中で、「怒り」を覚えることも多い。しかし、こうした怒りにどう対処するかは、人間関係上も健康維持上も極めて重要だ。9月11日テロの後、こちらできいた「怒りを手名づける4段階の方法」を紹介しよう。第一段階は「無視せよ」だ。ちょっと足をふまれたぐらいなら、無視しよう、という心得だ。第二段階は、「クールオフ(頭を冷やす)」だ。例えば、同じ人にドタキャンを何度かされた。そして、また今日もまた、約束の時間を10分すぎたところで携帯がなって、「ちょっと急にいけなくなった、ごめん。」もはや、「無視せよ」と受け流す気分にはなれない。怒りがこみあげてくる。こういうときにクールオフする。つまり、一旦、「OK,バイバイ」といって電話をきりなさい、そして時間をおいてアタマをひやす。クールオフの間に、枕をむしったり、鉛筆をおったり、相手の似顔絵を書いてばってんをつけたり、風船を破裂させたりする。あるいは自分の好きなものを思い浮かべて気分を回復する。怒りに名前をつけるのも効果的だ。例えば、キャメルのせいで怒ったなら「キャメルの怒り」など。名前をつけることは敵を支配する第1歩である。第三段階は「言葉で表現する。」「無視」も「クールオフ」も効かない。はっきり相手に釘をさすことが必要となった場合の方法だ。その際注意すべきは、相手に対して、「あんたは非常識だ。無責任だ。いいかげんだ。ビッチ。ステューピッド」などと攻撃・非難するのは控える。そのかわり、自分の気持ちをストレートに伝える。例えば、「私は非常にがっかりした。あなたがいつも土壇場でキャンセルするから。まっている間、いつ合えるかたのしみにしていたのに。今度から気を付けてね。もっと速くしらせてね。」とやる。メールで伝えるというのもいい。書くことによって、自分を冷静にみることができるし、微妙なニュアンスもだせるし、あるいはすごく強烈に伝えることもできる。第四段階は「戦う」だ。米国では、9月11日の同時多発テロ事件の後、この手を使う頻度がふえたが、あくまで最終的手段だ。ある心理学者はこう私にアドバイスした。「怒りの発生はおさえられない。それはあなたのコントロール外だ。しかし発生した怒りのエネルギーをどう表現するかは、あなたがコントロールできる。また、どのくらいの時間、怒りつづけるのかもコントロールできる」と。 |
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