TOP > 徒然草 > 新聞雑誌記事一覧 > 夕刊フジ > 12.エレベーター











  夕刊フジ
■No.1 テロ
■No.2 家族
■No.3 お金
■No.4 炭素菌新
■No.5 失業の女
■No.6 ストックパワー
■No.7 コミサ
■No.8 即興
■No.9 ドライバー
■No.10 西村
■No.11 キッシンジャ
■No.12 エレベーター
■No.13 即興劇
■No.14 怒り
■No.15 散歩
■No.16 パワー
■No.17 飛び級
■No.18 NLP
■No.19 失敗
■No.20 ベッキ2
■No.21 フィードバック
■No.22 ゴキブリ


 
夕刊フジ  【12】 エレベーター
●  エレベータピッチの重要性:トップに直接凝縮して伝える
(夕刊フジ掲載:2001年12月17日)
米国では、新米コンサルタントに対して、自分の提案を企業のトップマネジメントに「売りこむ」ために、エレベーターに乗っている間にさっと説明する訓練を行う。エレベーターピッチという。コンサルタントにとって、トップに直接インプットする機会は非常に重要で、しかもその機会が限られているから、例えばエレベーターで一緒になってもその機会を逃すな、という意味がある。実は、コンサルタント以外もこの訓練を受けていて、最近シリコンバレーで面白い実演をみたので紹介しよう。
それは起業家の卵のためのセミナーだった。1000人くらいの参加者を収容した会場の壇上にあがったインストラクターが、「誰か皆さんの前でサンドバッグになりたい人は手をあげてください」といった。すぐさま数十人の手があがり、5人が指名された。一人ずつ順に壇上にあがる。インストラクターから「どういうニーズに答えるのか」「あなたの解決案は何か」「競合と比べてどこが優位なのか」「利益はいつでるのか」「いくら資金が必要か」いう5項目について、それぞれワン・センテンスでのべよ、という指示がでた。壇上の大きなスクリーンにはなぜかエレベータでなくてエスカレーターが投影されていて、マリオと社長らしき人形がのりかけている。エスカレーターが次の階につくまでに、説明を終えるのがルールだ。最初の起業家がピッチをはじめると、効果音としてドラムがなり、画面上のマリオと社長がどんどん上っていく。壇上の起業家は顔を真っ赤にしてどんどん早口になる。本番さながらの緊張感。やがて5人のピッチがおわり、インストラクターが聴衆にむかってどれが最もよかったか一度拍手してくれ、といって人気投票にふした。さらに、パネリストとして招待されているベンチャーキャピタリストが一人ずつに対して講評した。5項目にすべて言及していなくても、「やりたいことが何か」はっきり伝わると、評価は高かった。「利益」の2文字がほんとうらしく聞こえる説明も絶対必要だった。
さて、このエレベーターピッチの練習が重視されているのは、有力者の時間がないことがその理由だろう。しかし、より大切なのは自分がやりたいことのエッセンスを凝縮する機会になることだ。まだやったことがない人は一度やってみるといい。数行のメッセージを創るのは、数十ページのレポート作成よりもうんと時間がかかるからそれは覚悟した上で。




キャメルの徒然草7つの才の深掘り転職マインドテストフィードバック10代のグローバル人材教育家族はキャメルを超えるTOPページ