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  夕刊フジ
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■No.21 フィードバック
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夕刊フジ  【10】 西村
●  和魂洋才の生き証人。ある日系1世。
    シリコンバレーで大活躍

(夕刊フジ掲載:2001年12月13日)
日本からシリコンバレーに戻ってきて、ふと、ここで活躍している日本人って誰かなと思った。早速何人かの知り合いにきくと、「ソレクトロンの社長の西村さんじゃないかな」という意見が多かった。私は西村さんにはお会いしたことはないが、調べてみると、確かに大活躍されている。西村さんは日系二世で、その最大の業績は、ソレクトロンの社長として、EMS(エレクトロニクス関連の製造請負事業)という分野をグローバルな規模で確立したことだ。シスコやヒューレットパッカードといった米国を代表する企業の製造を請け負っているほか、最近はソニーの仕事もはじめ、日本にも進出している。西村さんは、小学校にはいるまでは、日本語しか話さなかったらしい。おばあさんの影響を強くうけて、「魂、感謝、誠、徳、和合」等の「和魂」をたたきこまれたらしい。こんな逸話がある。西村さんの息子達が、高校生のころ「新聞配達」をビジネスとして始め成功させた。しかし、大学進学のためやめようとした。西村さんは息子達の顧客のことが気になり、夫婦で新聞配達を続けることにした。西村さんはすでにソレクトロンの社長か準社長クラスだったが、毎朝5時起きの配達をなんと6年間も続けたそうだ。さて、西村さんは、若い時、フットボールにいれこみ、体育の教師になるつもりだったが、ケガをしてその道をあきらめ、エンジニアの道に進み、「洋才」を磨く。体育教師候補がエンジニアに転向したのは米国でも珍しい。持ち前の努力と考え抜く力を発揮し、ついにはスタンフォード大学でエンジニア関係の博士号を得て、IBMの技術者として活躍する。さらに、IBM時代の部下から請われる形で、1988年にソレクトロン入りしてからは、社長として同社をEMS分野のグローバルなリーディングカンパニーに成長させた。その過程で、西村さんは、「共生」、「品質」、「顧客第一」、「チームワーク」といった「和魂」を、ソレクトロンの企業文化としてうめこむことを重視した。「日本のいいところは、決して日本的なものでなくて、グローバルに通用するのだ」というのが西村さんの考えだ。さる10月、シリコンバレー製造グループという団体から終身業績賞を受賞し、新聞でも大きく報道された。私は、「和魂洋才」の生き仏のような西村さんの活躍を知り、自分の中で日本人的な何かがそっと息吹くのを感じた。




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