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上海の風
上海の風(自己紹介):

 私は、ミーハーのブーム・ウオッチャーかもしれない。このメルマガを書くにあたり、簡単に自己紹介しようと思って、自分がこれまで暮らした国のことをつらつら思い出していて気づいた。70年代後半から80年代前半の石油ブームのころは、世界が注目するサウジアラビアで暮らした。80年代後半から90年代初頭は、Japan as No1といわれる日本にいた(私は日本人)。2000年から2002年は、ドットコム・バブルの震源地ともいうべきシリコンバレーで暮らした。そして、2003年7月からは、中国ブームの中心地である上海にいる。サウジアラビアは、今は国難のときである。サウジ王家は、イスラム原理主義過激派からテロ攻撃の標的にされている。シリコンバレーにいたときは、ニューエコノミーなるものが喧伝され、それはある意味で、シリコンバレーが世界の中心になるのかなという気持ちをいだかせた。そのシリコンバレーは、ドットコムバブル崩壊の激震にみまわれ、この間まで、リストラの嵐がふきあれていた。今はまた復活の兆しがあり、今後もハイテクの拠点として残ることは間違いないが、世界の重心になる兆しは今のところみえない。はたして今度の中国ブームはどうなるのだろうか。

  ひょっとすると、私は、歴史の転換点を日常的に体験しているのかもしれない。いや私だけじゃない。私の家族も、私の同僚も、私の同国人も、みなそれを体験しているのかもしれない。2050年ころ振り返ると、歴史家は、歴史の転換点として2000~2010年あたりをあげるのではないか。ある人の言葉をかりれば、世界の象徴的な重心が、ニューヨークから上海に向けて動き始めた、ということになる。19世紀のはじめの時点で、世界のGDPの28%が中国、14%がインドで、アジアは世界の中心だった。その後、英国、欧州の時代、米国の時代、をへて、今、ふたたびアジアに聖火がもどってきている、という見方である。この仮説が正しいかどうかわからないが、上海にいると、とにかく世界中の企業が、中国めがけてモノやサービスや人やお金を送り込んできているのがわかる。文字通りグローバル競争がくりひろげられている。日本企業にやや復活の兆しがみられるというものの、残念ながら、今の日本に対しては、世界からこういう熱い関心はむけられていない。むしろ、中国ブームのおかげで、日本が復活の兆しをみせているというのが実像に近いと思う。

  私は、このメルマガで、「もし、中国ブームがホンモノで、日本にとっての隣国に世界の重心が移ってくるとしたら、それはいったいどんな意味をもつのか」、現在進行形で皆さんと一緒に考えていきたい。

  いや、そういう難しい話はともかく、カラオケバーでみかける若い女性、田舎からでて道端でねながら起業した青年の話、中国国営企業で働く人たち、外資系で働くひとたち、日系企業で働く人達、公園でみかけるおじいさん、おばあさん、など、私が出合う人や事柄を中心に紹介していきたい。
 



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